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2022年10月26日

ニュースリリース

データトラストを実現する「Clockchain®(クロックチェーン)」 を発表

イネーブラー株式会社(以下、イネーブラー)は、2022年10月26日、あらゆるデータに「時間・空間・確からしさ・データの責任者・追跡性」を付与したうえで、数学的・暗号学的に改ざん不能な状態として保管すると共に、情報の検索性を持たせたデジタルトラスト証跡基盤「Clockchain®(クロックチェーン)」を発表した(特許出願番号2022-170668)。なお、開発に当たってはトレードログ株式会社(本社:東京都豊島区、代表取締役:藤田 誠広)に技術協力いただいた。

データトラストの必要性とは

日常における様々な判断、特にビジネスにおける判断では、データを根拠とした客観的な判断が重要となりますが、判断のもとにしたデータが、実は「歪曲されたデータ」であるとすると、そこから導かれた判断も誤ったものになりかねません。

経済産業省では、 DXを次のように定義しており、様々な変革に関わるデータの信憑性(データトラスト)がより一層重要なものとなっていることは明白です。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

引用元:「DX 推進指標」とそのガイダンス(PDF)|経済産業省

弊社では、デジタルトラストが必要な理由として下記2点を挙げています。
①データを分析・解析してインサイト(洞察/発見)を得るため
②データを根拠として、取引を実施するため
つまり、「複数の利用者が共通の認識の元、活動の指針を得ること」を実現する手段として、
Clockchain®(クロックチェーン)を考案し、開発を進めてきました。

「Clockchain®(クロックチェーン)」で可能なこと

あらゆるデータに「時間・空間・確からしさ・データの責任者・追跡性」を付与したうえで、数学的・暗号学的に改ざん不能な状態として保管すると共に、情報の検索性を持たせたせることを可能とし、データの利活用を促進すること。

■情報の検索性とは
① 時空検索・・・時間と空間の情報を検索条件として、複数の発信者によるデータを一元的に検索可能
② セマンティクス検索・・・①の時空検索に加え、データの「意味」を検索条件として、複数の発信者によるデータを一元的に検索可能
③ ①②の検索結果について、データの単位を統合可能
④ ①~③のいずれにおいても、「時間」「空間」「確からしさ」及び、「データの責任者」、並びにそれらの「追跡可能性」をもつ

「Clockchain®(クロックチェーン)」を実現するために必要な仕組み
 ① データの発生源から当該データを収集してくる仕組み(データコレクタ)
データコレクタ=シーケンサー/デジタコ/RFID/バーコードリーダー/ ドキュメント(リポジトリ(スマホ、スキャナ、NAS))
② ①のデータスキーマを定義する仕組み
③ ②のデータを集約する仕組み(時空認証®ゲートウェイ)
④ Clockchain®(クロックチェーン)のネットワークに当該データを送信する仕組み
⑤ 送信されたデータを改ざん不可能な状態で保管し、ID化する仕組み
⑥ ⑤のIDをブロックチェーンに書き込み、証跡化する仕組み。
⑦ ⑤のデータを時空検索および、セマンティクス検索を可能化し、単位を統合する仕組み
⑧ 取得したデータはアクセスコントロールが施される仕組み
  アクセスコントロールは、情報の発生源の責任者が自ら設定可能

■時空認証®とは
時空認証®は、数学的、暗号学的に証明しうる事実をマークルツリー構造と呼ばれる改ざん不可能な状態で、時間/空間/責任者/確からしさを事後検証できるよう積み重ねて得る分散認証の技法のこと。すなわち、データの取得時に中央機関による認証行為を行うアーキテクチャを採用していない。

データ収集時にオーソリティが認証をするデメリット
① 同時に大量に発生する全ての情報を中央機関がお墨付きを与える方法では処理が間に合わない
② 中央機関の信認の根拠の問題

今後の展望

昨年(2021年11月)、物流におけるClockchain®(クロックチェーン)のデータ取得POCを実施し、荷物のトレーサビリティや無人授受(所有者移転)、CO2排出量の算出において一定の成果が得られました。今後は、物流サプライチェーン(情報共有・取引)、交通、インフラ維持管理(保守データ)、工場・製造(予知保全データ・サプライ情報)、不動産(評価データ)、医療・介護(広域にわたる移動)、農業、漁業等、様々な方面への展開を予定しております。

イネーブラー株式会社について

イネーブラー株式会社は、独自に研究開発した超高精度測位技術で、IoT時代の新たなインフラ作りを支援するリーディングカンパニーです。
【会社概要】
社名:イネーブラー株式会社
本社所在地:〒105-6923 東京都港区虎ノ門4-1-1 神谷町トラストタワー23F
代表取締役:弘田 増巳
設立: 2012年7月24日
事業内容: 位置情報、衛星測位技術、自動運行技術、地理空間情報、移動体通信技術を用いたIoT・ICTに関する技術開発および事業開拓
HP:https://www.enabler.co.jp/

担当:DX事業部 堤田
Mail:tsutsumida@enabler.co.jp

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